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2019年4月 9日 (火)

「60年前の出産風景」

僕は1年以上毎月84才の女性の方を拝見しています。大抵途中で寝てしまわれるのですが、今日は珍しく起きていらっしゃったのでお話しをしまして、話しはご自身の出産のことになりました。
この方(仮にKさんとします。)は、岐阜の関市から車で30分ほど奥に行ったところのK地区のご出身で、最初のお子さんは里帰り出産をされたとのことです。時は昭和30年前半。おおよそ60年前のことです。話しは里帰りされて、もうすぐ予定日と言うところから始まります。


11月も後半になったある日、産婆さん(当時はだいたい各村に一人の産婆さんがいらした。)がいらして、 「明日はエビスさんの日やで縁起がええから、明日産んだらええやん。」とニコニコしておっしゃったそうで、お母さんもそれを聞いて、すぐに 「うん。そうやそうや、それがええ。」と大きくうなずいたそうです。それを聞いたKさんはすっかりその気になって、「よし!わたし明日産むわ。」と決心なさったそうです。(あえて、会話は岐阜弁で書いておりますのでご容赦のほどを...。)

さて翌日の昼過ぎ、Kさんはだんだんとお腹が痛くなりついに陣痛が来ました。「ほんとに来たわ。」と思ったそうですが、たまたま家には誰もいず、どうしたものかと思っていたら、そこに自転車に乗った郵便屋さんが配達にいらっしゃいました。Kさんはすぐに産婆さんを呼んできてほしいとお願いすると郵便屋さんはすぐにもと来た道を戻って呼びに行ってくれたそうです。
 ほどなくして、産婆さんはスクーターに乗って走ってきたそうで、そのまますんなりと元気なお子さんをお産みになられました。産婆さんは郵便屋さんがいらしたときには先に産んだお子さんを産湯にいれられていたそうですが、とるものもとりあえずスクーターに飛び乗っていらしたそうです。スクーターなのは、K地区は山村なので坂が多くて自転車ではくたびれてしまうのでスクーターであちこち行かれていたとの事でした。

 村の中にはお産で苦しんだ人はいなかったのかが気になったのでうかがうと、「みんなよー動いとったし、さっと産むのが当たり前だと思っとったからね。やから大変だった人はおらんかったなぁ。」とKさんは人懐っこいお顔に満面の笑みを浮かべて話してくれました。

 昔の人のお産は~とものの本に書いてあったりしますが、実際にお話しをうかがうといろいろみえてきます。Kさんの話しにはいろいろ参考になることが多くふくまれています。何が含まれているかは読まれた方によっていろいろ思うことがあるでしょうから、敢えてここでは申し上げません。

60年前の岐阜の山村でのとある風景でした。

2019年4月 8日 (月)

「季節を感じる。もろもろ」

  気が付けば桜も満開になり、菜の花の黄色も目に映えて本当に華やかな季節になりました。冬の間に縮んでいた心身も人にも寄りますが、ほとんど弛んで内側から力が張る(春)ように見受けられます。
  人は季節に影響を受ける形で季節の流れに沿って心身が変化していきます。心身の変化は気が付かないうちに始まり、その人なりの「気付き」でその変化を自覚して季節の到来に気が付きます。
 例えば、春の訪れを花粉症で感じたり、フキノトウを見つけて感じたり、或いは暦の二十四節気を観て春の訪れを感じるでしょうね。感じて自覚することで心身の変化が進むことでしょう。

 話は変わりますが、11月27日のブログで「野中操法(健康腺療法)」のことを書きましたが、ブログなどではこれから「健康腺療法」は「野中健康活點療法」と称し、「健康腺」も「野中健康活點」とし、「野中操法」は「整体野中操法」あるいは、そのまま「野中操法」と称していきます。しかし、これは飽くまで呼称のお話しで、技術的な内容は一切変わりません。これは言霊(ことだま)とでも申しましょうか?語呂というものは馬鹿に出来ないどころか大事なことでしてね。「健康腺(けんこうせん)」はそのまま「けんこうせん」。つまり、「健康にせん(しない)」につながるからです。整体を行うにあたり、「健康にしない」では具合が悪いので、先の呼称に変更するに至りました。これは個人的なことなので、他の方が「健康腺療法」を使うことについて、どうこう言うものでは全くございません。どうぞよろしくお願いいたします。

2019年3月 5日 (火)

岐阜では逆子の方が増えてきました。

 ここのところ、近在(各務原、関市、岐阜市)で逆子を訴えられる方が多くなっています。前に書きました逆子の原因のひとつに身体の片寄りがあるのですが、整体の世界では季節による体の変化を重視します。今の時期は春となり、冬の間引き締まっていた身体は春になると、頭骨・肩胛骨・骨盤などが順に弛んできます。そして、身体の中から順に力のような勢いが湧いてきます。しかしながら、人によっては何処かで引っかかって、うまく弛むことが出来ず、片寄り(左右差やねじれなど)が生じてしまいます。すると、妊娠中の方は逆子になったり、或いはお腹がはることもあります。


因みに今日拝見した方も片寄りが4cm近くも生じておりました。それを解消するのには妊娠された方に負担のかからないその方に合った体操を設計してお教えします。そして、その効果が上がるように身体を整えていくのは言うまでもありません。

  今年は年末が暖かかったり、その後、急に冷えたりと、寒暖の差の調子がおかしくて身体に負担がかかっているせいで片寄りも大きくなって逆子になられる方が増えているのだとみています。

 

 お問い合わせは 笑玉堂 syougyokudow555@gmail.com にてお願いいたします。

2019年2月 3日 (日)

刻まれた身体の記憶は...。

 妊娠中の方で腰痛をお持ちの方をよく拝見しますが、全ての方がそうだとは申しませんが、捻挫を経験し、その跡がくっきりと残っています。その「捻挫の跡」を元に戻すことを行い整えると腰痛は快方に向かいます。因みに捻挫の跡はかなり昔に起こしても残っています。30代の妊娠中の方を拝見した時には15歳くらいに起こした捻挫の跡がくっきりと残っていました。

 

 興味深いのはかなりひどい捻挫を起こしているのにも関わらず、捻挫のことを忘れてしまっているのです。先ほどの30代の方のお話しですが、捻挫の跡が強く残っているので、さぞ激しい捻挫に遭われたのだろうと思い尋ねてみると、「記憶にない。」とのことでした。おかしいなとも思いましたが、「人間は痛かった記憶は忘れてしまう。しかし、身体はしっかりと覚えている。」ということは幾度となく経験していますので、捻挫の跡を戻して整えていると、その方のお母さまが別の部屋で話しを聞いていたようで「中学の時に、部活(バスケット部だったそうで)で捻挫して、試合の応援は松葉づえをついて行ったじゃない?忘れたの?」とのこと。

 

 腰痛だけでなく、色んな不快なことがありますが、それは忘れてしまった身体に刻まれた「打撲」の記憶によるものがあるかもしれません。身体を整え、整った身心で日々過ごしていけるように、そういうことも読みながら身心に向き合っていくのが肝要でありますし、努めております。

2019年1月21日 (月)

「足を組むこと」はいけないことなのか?

 よく「足を組むのは身体がねじれたりしてよくない。」という話を聞きます。果たして本当にそうなのでしょうか?

 確かに、足を組むと骨盤や腰椎はねじれます。そのままの状態を続けていれば片寄りを助長してしまうということなのでしょうね。

 先日お会いしたとある女性の方から「私は仕事になるとついつい足を組んでしまうんです。これって良くないって言われてますがどうしたらよいでしょう。」と相談を受けました。さて、ここで大事なのは「仕事になると」という部分です。実は話しをもう少しうかがってみると、家では全く足を組むこともなくいらっしゃるのです。もちろん、お話しをうかがっている時も足は組まれていませんでした。

 

 野口整体には体癖(たいへき)という観方があります。それはある行動をしようとする時、している時にその人その人によって各々心身の力の方向や入れ方抜き方などが違うのです。なので、欠伸の前後の動作や、くしゃみ前後の動作などは人によって千差万別。そういったことがその人がその人である個性を作り上げているのです。つまり、この相談者の方は「仕事」に向かい合うことになると腰椎にねじれが生じ、右腸骨がやや閉まる傾向が生じるのです。その結果、気が付けば足を組んでいることになり、この方にとって足を組むことは仕事に集中するために必要な行為なのです。もし、組まずにいると注意が散漫になったり、いつもより疲れたりしてしまうでしょう。

 

 「足を組むことはよくない。」のではなく、組むことがその方にとって大事な行為であることもあるのです。身体を読む者にとって、このように行為の是非ではなく、その人にとってどういう意味を持つのかということを見なければならないと思うのです。

2018年12月31日 (月)

逆子の整体的観方(みかた)-逆子体操- その3

 その1で逆子の解消には、逆子体操(今回は一般的な胸膝位)があると申しましたが、これはいろいろと話しをうかがってみると「効かない。」と言う声が多く聞かれます。中には一度に十数回?もやられている方すらいらっしゃいます。また、「この体操でもどった!」とおっしゃる方もいらっしゃいます。何故、効果にばらつきがあるのでしょうか? ちょっと考えて観たいと思います。


「胸膝位」というのは、うつ伏せになり、頭を床に伏して、膝を立ててお尻を天に突き出した姿勢をとります。(イラスト写真参照。著作権などあるでしょうから自分で描きました。)こうするとお腹が逆さまになり、余裕が出来るし、お腹のお子さんが上に行き、まわりやすくなるので、そのまま一定時間(15分ほど)この姿勢を続けるというものです。確かに分娩時に状態がよくなくて仕切り直すときには、この姿勢を取ってお腹の中にお子さんがもどすことをすると聞きます。なので、胸方向に上がるというのはその通りなのでしょう。

一方で、逆子になられた方が教わったという逆子体操を見続けていて気が付いたことがあります。それは前提となる大まかな姿勢は同じでも、細かなことはばらばらなのです。膝の位置、足の角度、お尻の角度、うつむいた背中の形などなど。言い換えれば、各々の方によって、細かな姿勢が違って身体にかかる刺戟の場所などが違っているのです。だから、効果にばらつきが生じることになるわけです。

「逆子体操」はいつ、どなたが考案されたのか?今調べているところですが、今の時点では判っていません。しかし、体操である以上、身体のここをこうするという目的があるはずです。ラジオ体操でも「身体の緊張を弛める。」という目的があり、各動作は身体の力を抜いて柔らかく行います。ただ、だらけてしまわないように途中の背伸びの動作の時だけ身体をピンと伸ばす動作をいれているのは秀逸な考えだと思います。

 

「逆子体操」の要点は、先に書いたように逆子になる身体はなにかしらの片寄りなどがあるのです。その片寄りが大きい方が「逆子体操」の姿勢を取ろうとすると、やりにくかったり、辛かったり、うまく出来ないのです。その状態で無理して行おうとすると、ますます片寄りが大きくなったり、居心地が悪くなる方向に向かうと思います。なので、最初に体操の一定の姿勢が取れるか取れないか?を観る必要があり、取れないなら片寄りを整えるのを先に行います。姿勢が取れたとしたら次に効かせるべき場所に対して効かせられる姿勢を教えることが必要になるでしょう。背の高い人、低い人。お腹の大きい人、小さい人。身体の軟らかい人、硬めの人など一人として同じ人はいないのですから、姿勢も人によって細かな調整をするべきなのです。

 

では、身体の何処(どこ)に効かせるのか?ということになりますが、これは整体的な観方で意見を申し述べているだけで、本来の体操が作られた目的と合致しているかどうかは判りません。また、誤解も生じるでしょうから、ここでは細かいことは申し上げられませんが、大まかに申せば、この体操の焦点は腰椎にあると観ています。そして、そこから骨盤に対して波及させていくものだと思います。また体操の時間も短時間ですみます。これが出来るとこの体操に対しての効果の「ばらつき」は少なくなると考えています。また、逆子の方にお会いした際には、すでに逆子体操を教わって実際に実施されている方にはそのことも併せてお話ししてお教えしています。折角教わったのですから、一定の効果を出せるようにした方がよいでしょうから。


Photo_2

胸膝位の図

2018年12月30日 (日)

逆子の整体的観方(みかた)-居心地の良い場所- その2

 「居心地の良い場所」と前回書きましたが、整体の世界ではお腹のお子さんは「受精した時からひとりの人間である。」としています。これは野口晴哉氏のいくつかの著作の中でも言われていることです。受精した瞬間から純粋に「生きる」ことだけに生命をかけているのです。この世に生れ落ちたすぐの赤子から「生きる」ことがはじまるのではないし、年老いて病床に伏しておられる方も等しく「生きる」ことに生命をかけており、命の営みがはじまった時から「生きる」ために生きているのです。

それ故に、お腹の中のお子さんは自分が生きるためによりよい状態を常に探っていて、「居心地の良い場所」に身を置くことを求めるのです。その経緯の中で「居心地の良い場所」が逆子(胎位異常)になることもあるのです。

 

逆子の時にはお腹にそっと触れて愉氣をします。すると、大抵(寝てるときもあるわけですが)はすごく元気よく動いて応えてくれます。その上で、お母さんの身体の片寄りなどを整えるわけですが、片寄る原因も様々です。例えば運動経験の中での受傷や就かれている、または就かれていた仕事の内容によって心労から片寄りが生じたり、前回の出産時の時の経過で片寄りが生じたりしていることもあります。

それらのことから生じた片寄りなどを整える。そして、先にあげたことに対しての対応をして心身を「整体」に導いていくと、その場でもどったり、数回でもどることがあります。

因みにもどる力はお母さんとそのお腹の中のお子さんの力なのです。整体の技術はその力を導くことです。決して、僕個人の力ではないのです。なので、お腹を押さえてお子さんをひっくり返すようなことをする必要はなく、飽くまでその人の心身の中の片寄りを正すことをするだけなのです。


-つづく-


2018年12月27日 (木)

逆子の整体的観方(みかた) その1

逆子(胎位異常)は妊娠中の方にはとても不安な出来事です。また、逆子の解消については逆子体操(胸膝位・ブリッジ法)や経穴に対しての刺激など多くの対処法があります。ここでは整体の観方(みかた)から逆子のことを考えてみます。


逆子は何故なるのか?いくつかの原因があります。ひとつには胎盤の位置がよくなかったり、へその緒が短かったり、へその緒が首に巻いてしまったりと、物理的に逆子にならざるを得ない場合があります。こうなると整体の技術では今のところではどうにも致し方ありません。

では整体では逆子に対してどうするのか?それはもう一つの原因である「お腹の中のお子さんがお腹の中で動いているうちに上下が判らなくなってしまった。」「お母さんのお腹の中の居心地がよい場所(体勢)を探していたら、そのよい位置が逆子になる位置だった。」と言うこと。このことに対して心身から観ていきます。


  「お腹の中のお子さんの居心地がよい場所」が必ずしも頭を下にした「頭位」であるとは限りません。逆子の場合にはほとんど一見してお腹の形が片寄ったようになったり、週数に対して小さく見えたり、かたく緊張したようになっています。多くの場合、それは骨盤の形、腰椎の状態でお腹の状態がねじれたり、片寄ったりしまっているからです。そして、お腹のお子さんもその状態に合わせて姿勢を変えて居心地の良さを求めて動くのです。
                                                                                                     -つづく-

2018年12月16日 (日)

出産前の整体は何故必要なのか?

妊娠中のお母さんのお身体には腰痛・恥骨痛・肩こり。倦怠感など多くのことが起こります。これはお腹の中で育っていくお子さんの成長に伴って、順番にお母さんのお身体も変化していくのですが、その変化が円滑に行われていけばよいのですが、なにかしらの不快なことが起こるのは、お身体がこの変化についていけなかったり、変化が滞ってしまうことにより、生じるものが多いのです。

妊娠中期から後期になると、順番に骨盤などを中心に身体は弛んで分娩の準備をしてきます。その時にきれいに弛んでいけばよいのですが、人によって生活環境や身体の持っている癖、身体を動かすときの癖を持っています。すると左右の骨盤が均等に開いていかなかったり、左右どちらかの腰が固く固まってしまったり、片寄ってしまったりと、円滑に身体は変化していきません。ここで気を付けなくてはならないのが、その片寄りなどの変化に自覚がある方と、片寄っているのに自覚がない方がいらっしゃいます。これも癖だと言えるのですが、痛みなど不快を感じていなくても、片寄っていることは多いのです。

そうなると、身体は動かない部位を動かそうとしたり、動かない部分を補って別の部位が余分に動いたり弛んだりしていくという無理をして身体の変化の軌道修正をしてしまいます。その結果が「痛み」と言う形で現れるのです。

この身体の滞って無理をしている部分を、本来のその方の持つお身体の変化を取り戻せば「不快はこと」は改善されてゆきます。自然の変化や動きを取り戻せば、妊娠の経過が円滑になり、お腹のお子さんやご自身の身体の変化にも対応できて、分娩への準備へ集中できます。そして、いざ分娩となったときの経過がよい形になることにつながります。このことから妊娠出産の前の調整が必要だと捉えています。

この解消する方法は、当然その方の環境や癖によって変わりますし、回数も変わってきますので軽々にこうだとはここで申し上げることはできませんので諒としていただきたく、よろしくお願いいたします。

2018年11月29日 (木)

出張専門

 「笑玉堂」は開業して2年となりますが、最初から出張専門となっております。それは拝見する方の8割が出産前後の方がしめておりまして、そのために来院していただこうとすると、お腹が大きい状態で腰痛をお持ちだったり、首も座っていないお子さんがいらっしゃったりとなかなかに大変な時に、来院していただくのはご負担になるでしょうし、ご予約いただいても「だいじょうぶかなぁ。」と気になったりすることを考えれば、出張専門とした方がお互いが楽になるであろうと考えてのことです。

 

先にこちらを立ち上げておりまして、ホームページは近日中に立ち上げますのでよろしくお願いいたします。

 

予約メール:syougyokudow555@gmail.com

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